メールマガジン

ARDENTメールマガジン vol.7 (2015.01.30配信)

2015/01/30

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      ARDENT メールマガジン vol.7
           2015.01.30

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もうすぐ節分、そして立春を迎えます。
寒い日が続いていますが、春は確実に近づいてきています。

第7号メールマガジンの配信です。

◆今号でお知らせする内容です。
┣【1】コラムリレー
┣【2】イベント・シンポジウム情報
┣【3】公募情報
┗【4】お知らせ

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【1】コラムリレー
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産学官連携・臨床試験に関わる話題を中心に様々な先生のコラムを掲載します。

第7回目は、生命・医療倫理のスペシャリスト、
九州大学病院ARO次世代医療センター特任講師(倫理担当)河原直人先生に
ご執筆いただきました。

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            第7回 コラム
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これまで、私は様々な大学・研究機関で≪医の倫理≫(生命・医療倫理/研究
倫理分野等)を専門とする職域に従事してきた。こうした分野もまた、現時の
情勢に即して、基礎・応用・開発といった相で捉えられ、それぞれの議論の相乗
効果が期待されているといえよう。勿論、その範疇ないしは射程を捉えるのは
容易でない。他にも、情報倫理、工学倫理、技術者倫理、企業倫理等のカリキ
ュラムを設置している大学等があり、それらは≪倫理≫を共通項として、
本質的には互いに連関し合っているともいえる。

例えば、企業倫理の分野では、しばしば「コンプライアンス型」と「価値共有型」
の二類型をめぐる議論が展開されてきた。

諸説あるが、基本的に、前者は法令・規則遵守に基づいて、個々人の裁量範囲に
厳格な制約が課され、不正行動の監視とペナルティに重点が置かれる場合が多い。
この場合、個々人の利己性に対処しようとする組織的態度が強調されよう。

一方、後者は、自主規制に基づいて、所属組織の目標・理念が経営上の意思決定
として統合され、社会的責任を果たそうとする態度が特徴といえよう。こちらは、
明確な責任体系と個々人の役割が尊重されるとともに、当該組織による価値規範
の設定と意思決定のあり方が重要となるように考えられる。

こうした事柄は、法と倫理の関係性にも通底するように思われる。
すなわち、法は他律的であり、倫理は自律的と捉えられる。両者の相補的な関係の
中で、多種多様な社会規範が成立してきたともいえる。それゆえ、平素の柔軟かつ
円滑な倫理的取組みがあればこそ、適正な規制対応も期待できることになる。
また、これを担保していくには、当該組織の内的・外的諸要因の影響をふまえた、
適切なガバナンスが求められることになる。

昨今の所感として、医学研究をめぐる倫理の議論においても、組織論的なアプローチの
吟味・検討が必要となる局面が相当増えてきたように思う。
実際、行動規範・憲章に係るインテグリティの諸問題、金銭的・人的・物的リソース、
データの取扱いに係る利益相反マネジメントや契約形態、さらには、研究不正に対する
告発対応等、従前の研究倫理の俎上では捉え難い案件が、産学官の枠を超えて
輻輳してきた印象である。

折しも、わが国では、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、改正薬事法が施行
される一方、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針が公布された。
随所で信頼性保証に係る様々な提言も行われ、研究管理の制度・体制の変革期を
久しぶりに迎えている。
この時勢であればこそ、医学研究に関わるステークホルダーが、規制・適合基準、
倫理的要件等にも主体的に向き合い、各々の組織の持ち味を最大限に活かせる協働の
あり方を共に考究・実践していく態度がいっそう重要となろう。


         九州大学病院ARO次世代医療センター特任講師(倫理担当)
                   河原直人


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【2】イベント・シンポジウム情報
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■第2回 医療機器分野参入促進セミナー
 ~半導体・エレクトロニクス技術の新たな可能性を拓く~
【日時】平成27年2月12日(木)14:00~17:30
【会場】福岡 
【主催】九州経済産業局、一般財団法人九州地域産業活性化センター、
    九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会
【URL】http://www.kyushu.meti.go.jp/event/1501/150115_2.html
■市民公開講座「患者さんと考える明日への医療」
 -がんをテーマに医師の立場から・患者の立場から-  
【日時】平成27年2月14日(土) 14:00-16:30
【会場】福岡 
【主催】九州大学病院ARO次世代医療センター
【URL】http://www.med.kyushu-u.ac.jp/crc/center/koukaikouza2015.html
■新規参入のための企業人育成・交流セミナー
【日時】●平成27年2月5日(木)18:00-20:00
    医療機器ソフト~ヘルスソフト開発ガイドライン実践: SCCToolKit~
    ●平成27年2月13日(金)18:00-20:30
    ニーズから始める医療機器開発
    ●平成27年2月27日(金)18:00-20:00
    医療機器センターにおける取り組みと支援体制
【会場】福岡
【主催】九州大学病院ARO次世代医療センター
    九州大学先端医療イノベーションセンター
【URL】http://www.camit.med.kyushu-u.ac.jp/kikiso/
■第15回CRCと臨床試験のあり方を考える会議
【日時】平成27年9月12日(土)~13日(日)
【会場】神戸
【主催】臨床試験支援財団
【URL】http://www2.convention.co.jp/crc2015/
★企業・アカデミアからの出展募集中★
詳細は下記までお問い合わせください。
臨床試験支援財団(06-6221-5933)

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【3】公募情報
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公募案内の詳細情報・その他公募情報は、
ARDENTホームページ( http://ardent-j.org/ )に掲載しております。
ぜひご覧ください。

■平成27年度 ライフサイエンスデータベース統合推進事業 
 統合化推進プログラム、統合化推進プログラム(統合データ解析トライアル)
における募集
【応募締切】統合化推進プログラム:平成27年2月5日(木)14時
統合化推進プログラム(統合データ解析トライアル):平成27年3月12日(木)14時
【詳細】http://biosciencedbc.jp/funding/fund
■平成27年度「感染症研究国際展開戦略プログラム」に関する課題の公募
【応募締切】平成27年2月6日(金)正午
【詳細】http://www.jst.go.jp/keytech/kouboh26-6.html
■公益信託 成茂神経科学研究助成基金 平成27年度応募
【応募締切】平成27年2月27日(金)
【詳細】http://www.narishige.co.jp/japanese/fund/2015_nnrf.html
■平成27年度「医工連携事業化推進事業」実証事業の公募
【応募締切】平成27年3月11日(水)17時
【詳細】http://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo/k150119001.html
■公益財団法人 循環器病研究振興財団
 第23回(2015年度)バイエル循環器病研究助成募集
【応募締切】平成27年3月16日(月)
【詳細】http://www.jcvrf.jp/research/baieru.html
■アステラス製薬 エーキューブ 創薬研究課題または技術課題 公募
【対象】国内研究機関(アカデミア、製薬およびベンチャー企業等)に
    所属している研究者の方
【応募締切】平成27年年5月末
     (平成26年12月1日から随時受付、順次速やかに審査)
【詳細】http://www.astellas.com/jp/a-cube/theme/index.html

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【4】お知らせ
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・九州大学病院ARO次世代医療センター、ARDENT、WAT-NeW等主催
「第3回TR推進合同フォーラム」を平成27年8月31日(月)に予定しております。

・九州大学病院ARO次世代医療センターでは産学連携等に関わる人材を
 募集しています。詳細は以下のURLよりご確認ください。
 http://www.med.kyushu-u.ac.jp/crc/recruit/pdf/kyujin_20141028_nc.pdf
 

※イベント・シンポジウム情報等お持ちの方は、ARDENT事務局までご連絡くだ
 さい。ARDENTホームページ、メールマガジンにてご案内いたします。
※メール配信の停止、配信先の変更をご希望の場合は、下記ARDENT事務局まで
 ご連絡ください。

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九州大学病院 ARO次世代医療センター
ARDENT事務局
〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
TEL :092-642-5080
FAX :092-642-5124
E-mail:info@ardent-j.org
URL: http://ardent-j.org/
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